「あの人とはなぜか話が噛み合う」「悪い人ではないのに、一緒にいると妙に疲れる」。
職場でも家庭でも、こうした感覚に覚えのある方は多いのではないでしょうか。
四柱推命では、この“噛み合い方”を五行(ごぎょう)という5つのエネルギーの関係で説明します。
五行の相性は「良い・悪い」の判定ではなく、2人のあいだで力がどう流れるかを示す地図です。
この記事では、四柱推命を「自分の取扱説明書」として使ってきた筆者・藤本直樹の目線で、次の内容を順にお伝えします。
- 五行の相性を決める3つのパターン(相生・相剋・比和)
- 自分と相手の五行を「日干」から調べる方法
- 五行×五行の25通り相性早見表
- 相剋の相手とうまくやるための「通関」の考え方
- 仕事・恋愛・夫婦で五行の相性を活かすコツ
直樹私自身、営業課長時代に「どうしても空回りする上司との関係」に悩み、燃え尽きて休職した経験があります。
あとで五行を見て、相手が悪かったわけでも、私が弱かったわけでもなく「力の流れ方の型」があっただけだと腑に落ちました。
占いというより、関係の構造を知るためのデータとして読んでいただければうれしいです。
【結論】五行の相性は「相生・相剋・比和」の3パターンで決まる


五行とは、自然界のすべてを木・火・土・金・水の5つの要素で捉える東洋の考え方です。
四柱推命では、生まれた年・月・日・時間の4つの柱(命式=めいしき、その人の生まれ持った設計図)をこの5要素に置き換えて読み解きます。
2人の五行の関係は「相生(そうしょう)」「相剋(そうこく)」「比和(ひわ)」のどれかに必ず当てはまります。
| 関係 | 五行の組み合わせ | 2人のあいだで起きること |
|---|---|---|
| 相生(そうしょう) | 木→火→土→金→水→木 | 一方がもう一方を育て、支える |
| 相剋(そうこく) | 木→土→水→火→金→木 | 一方がもう一方を抑え、形を整える |
| 比和(ひわ) | 同じ五行どうし | 価値観が近く、共鳴し合う |
相生:一方が育て、一方が育てられる関係
相生は、ある五行が次の五行を生み出す流れです。
木は燃えて火を生み、火は灰となって土を生み、土の中から金(鉱物)が生まれ、金の表面には水滴が生じ、水は木を育てます。
人間関係でいえば「与える側」と「受け取る側」がはっきりした関係で、自然に協力しやすいのが特徴です。
ただし、与える側が一方的に消耗していないかは、ときどき確認したいポイントです。
相剋:一方が抑え、一方が鍛えられる関係
相剋は、ある五行が別の五行を抑える流れです。
木は根を張って土を締め、土は堤防となって水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金(刃物)は木を切ります。
字面から「相性が悪い」と思われがちですが、相剋は“形を整える力”でもあります。
木は刃物で剪定されてこそ材木になり、金は火で溶かされてこそ道具になります。
緊張感はあっても、成長や成果につながりやすい関係と捉えてください。
比和:同じ五行どうしが共鳴する関係
比和は、木と木、火と火のように同じ五行どうしの関係です。
ものの感じ方やペースが似ているため、説明しなくても通じ合える心地よさがあります。
一方で、似ているからこそ張り合ったり、同じ弱点を抱えたりしやすい面もあります。
仲間としては心強く、役割分担を決めておくと長続きしやすい組み合わせです。
自分と相手の五行を調べる方法【日干でわかる】


相性を見る前に、まず自分と相手が「どの五行の人か」を知る必要があります。
基本になるのは、命式の日柱(生まれた日の柱)の上段にある「日干(にっかん)」です。
日干は「日主(にっしゅ)」とも呼ばれ、命式の中で「自分自身」をあらわす1文字です。
十干と五行の対応表
日干は、甲(きのえ)から癸(みずのと)までの10種類の「十干(じっかん)」のどれかになります。
生年月日を無料の命式計算サイトに入力すれば、日干はすぐにわかります。
わかったら、下の表で五行に置き換えてください。
| 五行 | 陽の日干 | 陰の日干 | 性質のイメージ |
|---|---|---|---|
| 木 | 甲(きのえ) | 乙(きのと) | まっすぐ伸びる・成長・向上心 |
| 火 | 丙(ひのえ) | 丁(ひのと) | 明るく照らす・情熱・表現力 |
| 土 | 戊(つちのえ) | 己(つちのと) | 受け止める・安定・包容力 |
| 金 | 庚(かのえ) | 辛(かのと) | 切り分ける・決断・こだわり |
| 水 | 壬(みずのえ) | 癸(みずのと) | 流れる・知性・柔軟さ |
同じ五行でも、陽(甲・丙など)は外へ広がる力、陰(乙・丁など)は内へ深まる力として表れます。
たとえば同じ「木」でも、甲は大樹、乙は草花にたとえられ、五行の相性は同じでも関わり方の温度感は少し違ってきます。
日干だけで判断しない:命式全体の五行バランス
命式は年・月・日・時の4つの柱にそれぞれ2文字ずつ、合計8文字で構成されています。
日干は自分の“核”ですが、残り7文字にどの五行が多いか・少ないかで、その人らしさはかなり変わります。
たとえば日干が木でも、命式に水が多い人は「考えてから動く木」、火が多い人は「表現しながら伸びる木」になります。
まずは日干どうしで大枠をつかみ、余裕があれば命式全体の五行の偏りも見てみると、相性の解像度が上がります。
【関連記事】四柱推命の日柱で見る相性とは?4つの視点と早見表で合う理由がわかる
【早見表】五行×五行の相性25通り一覧
自分の日干の五行(縦)と、相手の日干の五行(横)が交わるマスを見てください。
マスに書かれているのは「相手との間で、自分がどんな役割になりやすいか」です。
| 自分\相手 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
|---|---|---|---|---|---|
| 木 | 比和:共鳴 | 相生:育てる | 相剋:導く | 相剋:鍛えられる | 相生:支えられる |
| 火 | 相生:支えられる | 比和:共鳴 | 相生:育てる | 相剋:導く | 相剋:鍛えられる |
| 土 | 相剋:鍛えられる | 相生:支えられる | 比和:共鳴 | 相生:育てる | 相剋:導く |
| 金 | 相剋:導く | 相剋:鍛えられる | 相生:支えられる | 比和:共鳴 | 相生:育てる |
| 水 | 相生:育てる | 相剋:導く | 相剋:鍛えられる | 相生:支えられる | 比和:共鳴 |
5つの役割の読み方と、通変星との対応
表の5つの役割は、四柱推命の通変星(つうへんせい)とそのまま対応しています。
通変星とは、日干から見て相手の五行がどんな関係にあるかを10種類の星で表したもので、性格や人間関係を読む柱になる考え方です。
| 役割 | 五行の関係 | 対応する通変星 | 関係の特徴 |
|---|---|---|---|
| 共鳴 | 比和(同じ五行) | 比肩・劫財 | 対等な仲間・ライバル。ペースが合う |
| 育てる | 自分が相手を生む | 食神・傷官 | 自分のアイデアや世話焼きが自然に出る |
| 導く | 自分が相手を剋す | 偏財・正財 | 自分が主導権を持ちやすく、相手を動かせる |
| 鍛えられる | 相手が自分を剋す | 偏官・正官 | 適度な緊張感があり、背筋が伸びる |
| 支えられる | 相手が自分を生む | 偏印・印綬 | 安心感があり、学びや助言を受けやすい |
「導く」「育てる」の相手には自分の力を出しやすく、「支えられる」「鍛えられる」の相手からは力を受け取りやすい、という見方をすると整理しやすくなります。
どの関係にも優劣はなく、自分がどちら側に立ちやすいかを知ることが活かし方の出発点です。



私の日干は庚(かのえ)、つまり「金」です。
当時の上司は丙(ひのえ)の「火」で、表でいえば私が「鍛えられる」側でした。
毎日のように詰められて消耗していたのですが、「火が金を溶かして道具にする関係」と知ってから、あの厳しさのおかげで身についた力もあったと、少し冷静に振り返れるようになりました。
もちろん、消耗しきる前に距離をとる判断も同じくらい大事だったと思っています。
相剋の相手とうまくやるには?「通関」で関係をつなぐ方法


早見表で相剋の関係だとわかっても、がっかりする必要はありません。
四柱推命には、ぶつかり合う2つの五行のあいだに別の五行を入れて流れをつなぐ「通関(つうかん)」という考え方があります。
相剋も、間に1つ五行をはさめば相生の流れに変えられるのです。
相剋の組み合わせ別・橋渡しになる五行
| 相剋の組み合わせ | 橋渡しの五行 | つながる流れ | 関係づくりのヒント |
|---|---|---|---|
| 木と土 | 火 | 木→火→土 | 一緒に楽しむ場・明るい雑談を挟む |
| 火と金 | 土 | 火→土→金 | ルールや段取りを先に決めて安定させる |
| 土と水 | 金 | 土→金→水 | 判断基準を言語化して共有する |
| 金と木 | 水 | 金→水→木 | 結論を急がず、話を聞く時間をとる |
| 水と火 | 木 | 水→木→火 | 共通の目標や育てるテーマを持つ |
橋渡しの五行は、人だけでなく「場」や「やり方」でも取り入れられます。
たとえば、橋渡しの五行を日干に持つ第三者に間に入ってもらう、その五行らしい関わり方を意識して取り入れる、といった形です。
大切なのは、相手を変えようとするのではなく、2人のあいだの流れを整えるという発想です。
足りない五行を補い合える相手は、相剋でも相性が良い
命式全体の五行バランスで見ると、日干どうしが相剋でも、自分に足りない五行を相手がたくさん持っているケースがあります。
こうした組み合わせは、一緒にいることで互いの偏りがならされ、結果的に「なぜか落ち着く」「仕事がはかどる」関係になりやすいとされます。
日干の相性は入り口にすぎず、命式どうしを重ねて見ると印象が変わることも多いのです。



復職後、例の上司との間に、戊(つちのえ)=「土」の同僚が入ってくれる時期がありました。
火→土→金と流れがつながったのか、同じ指示でも不思議と受け取り方が変わったんです。
偶然かもしれませんが、「関係は2人だけで完結させなくていい」と気づけたのは、私にとって大きな収穫でした。
仕事・恋愛・夫婦で五行の相性を活かすコツ
同じ五行の関係でも、場面によって活かし方は変わります。
ポイントは「どちらが力を出し、どちらが受け取っているか」を意識して、偏りすぎないよう調整することです。
仕事(上司・部下・同僚)での活かし方
- 支えられる相手:相談役やメンターに向く。迷ったときは早めに頼る
- 育てる相手:自分が教える・任せる側になりやすい。抱え込みすぎに注意
- 導く相手:指示が通りやすい反面、相手の意見を聞く時間を意識的にとる
- 鍛えられる相手:基準の高さを成長材料にしつつ、疲れたら距離をとる
- 共鳴する相手:同じ方向を向ける同志。役割を分けると衝突しにくい
恋愛・夫婦での活かし方
恋愛やパートナー関係では、相生の組み合わせは自然に寄り添いやすく、相剋の組み合わせは強く意識し合う刺激的な関係になりやすい傾向があります。
長く一緒にいるなら、「どちらかがずっと与える側」に固定されていないかを見直すのが有効です。
たとえば「育てる」側に立ちやすい人は、ときには甘える日をつくる。
「導く」側に立ちやすい人は、相手に決めてもらう場面を増やす。
こうした小さな入れ替えが、関係のバランスを整えてくれます。
なお、五行の関係とは別に、日干どうしが特別に引き合う「干合(かんごう)」という組み合わせもあります。
五行が相剋でも干合が成立する2人は、強いご縁を感じやすいとされます。
【関連記事】四柱推命の干合の相性は?早見表で強く惹かれ合う相手と注意点がわかる
五行の相性を見るときの3つの注意点
五行の相性はシンプルで便利な分、読み違えやすい面もあります。
相性は「2人の関係を良くするためのヒント」として使うもので、相手との縁を切る・決める根拠にするものではありません。
①相剋=相性が悪い、ではない
ここまでお伝えしたとおり、相剋は緊張感と成長をもたらす関係です。
実際、四柱推命では命式の中に適度な相剋がある方がバランスが良いと読むことも少なくありません。
相生ばかりの関係は、心地よい反面、なれ合いになりやすいという見方もあります。
②相性は大運の時期によって感じ方が変わる
四柱推命には大運(たいうん)という、10年ごとに切り替わる運気の流れがあります。
大運で巡ってくる五行が変わると、命式のバランスも変わるため、同じ相手との関係でも「昔はぶつかったのに、今は楽になった」ということが起こりえます。
力の出る時期と抜く時期があるように、相性にも波があると考えておくと気持ちが楽になります。
【関連記事】四柱推命の大運の切り替わりはいつ?前後3年に起きることと動き方
③五行は相性を見る要素の一つにすぎない
本格的な相性鑑定では、五行のほかにも干合・十二支の組み合わせ・十二運(じゅうにうん:エネルギーの強弱を12段階で表したもの)などを総合して読みます。
この記事の早見表は相性の“骨格”をつかむための入門編として活用してください。
四柱推命の五行の相性に関するよくある質問
Q.同じ五行(比和)どうしは相性が良いのですか?
価値観やペースが近く、理解し合いやすい組み合わせです。
ただし似た者どうしで張り合ったり、同じ苦手分野で行き詰まったりすることもあります。
役割分担を意識すると、心強いパートナーになりやすい関係です。
Q.相剋の相手とは結婚しない方がいいですか?
そう考える必要はありません。
相剋は刺激し合い、互いを成長させる関係でもあります。
命式全体で足りない五行を補い合えていることも多いため、日干の五行だけで判断しないことをおすすめします。
Q.日干がわからない場合はどうすればいいですか?
生年月日を入力すると命式を表示してくれる無料サイトやアプリがあります。
日柱の上の文字が日干です。
相手の生年月日がわからない場合は、無理に調べず、まずは自分の五行を知るところから始めてみてください。
Q.生まれた時間がわからなくても相性は見られますか?
日干は生まれた日で決まるため、時間がわからなくても五行の相性は見られます。
時柱がないぶん命式全体の五行バランスは少し粗くなりますが、大枠の相性をつかむには十分です。
まとめ:五行の相性は「2人の力の流れ」を知る地図
四柱推命の五行の相性は、相手を良し悪しで判定するものではありません。
自分がどこで力を出し、どこで力を受け取る型なのかを知ることで、関係の整え方が見えてくる――それが五行の相性を学ぶいちばんの価値です。
- 五行の相性は相生・相剋・比和の3パターン
- 自分と相手の五行は日干から調べられる
- 25通りの早見表で「育てる・導く・鍛えられる・支えられる・共鳴」の役割がわかる
- 相剋は悪い関係ではなく、通関の五行で流れをつなげられる
- 相性は大運の時期や命式全体のバランスでも変わる
早見表で大枠をつかんだら、次は命式全体を重ねて見ると、相性の読み方がぐっと立体的になります。
とはいえ、8文字どうしを重ねて大運の流れまで読むのは、独学だと時間がかかる部分です。



私も最初は日干の早見表だけで一喜一憂していました。
専門家に自分と上司の命式を重ねて読んでもらったとき、「この関係は今の大運だとこう流れやすい」と具体的に言語化してもらえて、肩の力が抜けたのを覚えています。
気になる相手との関係に悩んでいるなら、一度プロに命式を見てもらうのも、自分の型を知る近道だと思います。







